やっと式場が決まったところで、お楽しみのドレス選びとなった。
当初は、数時間しか着ないドレスに何十万円も出すなんて馬鹿らしいと考え、オーダーメイドのものを作って貰おうとしていたが、これがまたややこしかった。
幸いにも、持ち込み料はかからない会場だったのだが、美容費と着付け代がとんでもない金額だった。
卒業式で袴を着用した時も凄い金額だったが、それを軽く上回る事態に、ここはバブルが残っているのかとまで考えたほどだった。
物は試しと、式場提携先の貸衣装屋で試着をし、ある程度のドレスで再度見積もりをお願いしたところ、オーダーメイドを持ち込むよりも、貸衣装と美容費がパックになったプランの方が、はるかにお得な金額になった。
「なんというマジック…」と茫然としながらも、ブライダル業界には一種の法則があることに気が付いた。
それは、会場先が提携しているところは、積極的に利用すべきと言うことだ。
バックマージンを考えればすぐに分かることだった。
貸衣装一件にしても、大口の客が入ることは喜ばしい筈。
つまり、値引きしてもらい易いのだ。
逆に、そんなに押していないところは、値引き率も低いため、自力で探したほうが良い。
結婚式の金銭交渉は、なかなか奥が深かった。