結婚はゴールじゃなくてスタートとは良く言ったもので、プロポーズを受けてから、途端に二人だけの関係から、両家の関係にシフトチェンジする。
ゼクシィなどの結婚情報誌を見ている分には、キラキラしていてまるでお姫様になったような気分を味わえるのだが、そこはあくまで序章でしかなく、実際には様々な経験を通して、少しづつ「お姫様のような一日」を迎えることとなる。
両家への結婚の挨拶にはじまり、訪問マナーや、礼儀作法を改めて振り返る。
その後の両家顔合わせでは、両家の日程調整から食事の場所、果ては洋服の格を合わせるなど気を遣うことが盛り沢山となる。
こうした過程を得ながら、会場選びや衣装合わせを行うが、これがメインになる時間は決して多くはなく、また、まるでバブルかのようにお金が動く結婚式の世界に呑まれずに、立ち向かわなければいけない。
勿論、日常生活に支障を出してはならず、また、上司への報告のタイミングなど、円滑に角が立たないようにと頭を悩ますことになるのだ。
こうした結婚の過程を踏んでいくと、「夫婦=入籍」ではないことに次第と気が付いてくる。
夫婦になろうとする者が、結婚に必要な様々な仕来りや礼儀作法、心配りを通して、育った環境の異なる二人が夫婦になっていくのではないだろうか。
近年は、核家族化が進み、「家族」という概念は薄くなっていく一方にある。
結婚というものは、家の一員としての自覚を持たせるとともに、様々な意味で夫婦を育てていくものなのかも知れない。