浮気男と結婚した女性がいた。
彼女の彼氏は、常に女性の影が有り、二股どころではなく五股をかけることも訳がないくらいにモテていた。
独身時代に遊ばなければ勿体ないというその浮気男に、彼女がどうやって結婚まで持ち込んだのか、私は不思議だった。
浮気男は、見た目がとても良いだけではなく、女性の扱いも格別にうまかった。
そんな彼をつかんだのは、押しかけ女房になるまでの強引さと、美味しい郷土料理だったそうだ。
彼の好みの味や、家庭の味を再現できるように調整し、食事を毎日作るようにしていた。
また、彼が転勤になっても、彼の勤め先がある地域まで引っ越し、転職をして彼の傍を離れることがないようにした。
浮気が発覚しては、ケータイを没収し、関係のある女性は目の前で切らせた。
そして、彼を翻弄することも忘れなかった。
そうこうして、婚約まで持ち込むと、今度は、かなりお高めのフルオーダーの婚約指輪や結婚に関係する物品を購入させることで、貯金を減らし、遊ぶ余裕が持てないようにした。
そこまで入れ込むほどの良い男だったのか私は知らないが、傍から見ていて、こういう人でもないと、浮気男と結婚することは出来ないのだろうなとつくづく感じる出来事だった。